
「ウェブ(web)」と「セミナー(Seminar)」を合わせた造語である「ウェビナー」。ビジネスシーンをはじめ、さまざまな場面で活用されています。
今回は、このウェビナーの「録画配信」に着目。録画配信のメリットデメリット、録画配信の準備ややり方についてご紹介します。
目次
ウェビナーの「録画配信」とは?

ウェビナーには、大きく分けて2つの配信形式があることをご存知ですか?
ひとつ目は「リアルタイム配信」、もうひとつが「録画配信」です。
リアルタイム配信(ライブ配信)
リアルタイム配信は、いわゆる生放送のこと。ライブ配信とも呼ばれています。
撮影と配信が同時に行われ、配信者と視聴者は画面を通して同じ時間に居合わせていることになります。視聴者とリアルタイムで双方向のコミュニケーションを取れるのが特徴です。セミナーやディスカッション、現場中継など、ライブ感が求められる配信に向いています。
録画配信(オンデマンド配信)
録画配信は、オンデマンド配信とも呼ばれています。名前の通り、事前に録画した映像を配信する形式です。映像を編集して配信することができるため、洗練されたコンテンツを制作することができます。ただ、配信者は視聴者とリアルタイムでやり取りするのは難しく、コメントやメール機能を使ってやり取りをする必要があります。ライブ配信を行いながら、一部を録画配信にするなど、さまざまな手法があります。
録画配信には、用途によって2つのタイプがあります。
(1)録画用に撮影した動画を配信する形式
(2)ライブ配信したものを録画し、アーカイブとしていつでも視聴できる形式
(1)は事前に編集ができるため完成度の高い映像を配信することができます。(2)はライブ配信の臨場感をいつでも映像で見ることが可能に。当日視聴できなかった人も、後日確認することができるので、参加者を獲得しやすくなります。
今回は(1)の録画用に撮影をした動画を配信する形式をメインにお届けします。
ウェビナーを録画配信するメリット
ウェビナーと聞くと、リアルタイムで行われているライブ配信が一般的だと感じられるかもしれませんが、実は録画配信もたくさん取り入れられています。ライブ配信に劣らない録画配信のメリットをご紹介します。
配信トラブルのリスクを回避できる
録画配信を行う最大のメリットは、当日のトラブルのリスクを回避できること。ライブ配信は、予期せぬトラブルやミスが発生することもあり、登壇者や視聴者に迷惑をかけてしまう場合も。録画配信であれば、トラブルのリスクを減らすことができ、当日のイレギュラーな対応がなく、安定した配信をすることができます。
高品質でわかりやすい映像を配信できる
録画配信は事前に、映像を編集したり、テロップをのせたり、高品質の映像に仕上げることができます。参加者への理解をより深めるために、修正や工夫をして内容をアップデートさせることが可能です。
登壇者の状況や予定に左右されない
ライブ配信は、登壇者の予定がまず合わないと開催できません。体調や急な予定変更などに左右される場合もあります。その点、録画配信は事前に収録が行えるため、配信はスムーズ。当日の状況や登壇者の予定に関わらず開催することが可能です。
また、登壇者の中には、リアルタイムで話をするのが苦手な方や時間内に話をおさめるのが不得意という方もいらっしゃいます。事前に収録ができると、登壇者も主催者も安心。当日のトラブルやミスも減らすことができます。
当日の配信工数の削減になる場合も
一概には言えませんが、ウェビナーで録画映像を活用することで、当日の配信にかかる工数の削減につなげられる場合もあります。
ウェビナーの開催には、企画から当日の配信まで多くの手間がかかります。ライブ配信をする場合は、配信当日に登壇者のサポートを行う必要がありますが、録画配信であれば当日の動きは最小限に抑えられます。
また、事前に映像を撮って編集をすれば、別のウェビナーで活用できる場合も。長い目で見て、全体の工数の削減にもつながります。
ウェビナーを録画配信するデメリット
ウェビナーの録画配信は、メリットも多い分、ライブ配信の特性である双方向のコミュニケーションが取りにくいというデメリットもあります。ポイントを抑え、工夫をしながら配信しましょう。
双方向のコミュニケーションが取りにくい
完全な録画配信の場合は、視聴者は映像を見ているだけとなります。登壇者への質問を送ったり、回答してもらったりという双方向のコミュニケーションを取ることができません。主催者側にとっても、参加者(視聴者)の興味や反応を測ることができないため、対応に困る場合もあります。
参加者の満足度を下げないポイントは、録画配信中にチャットを活用して質問を受けつけるなど、コミュニケーションを意識すること。リアルタイムで参加している感覚が持てる工夫をすることは大切です。
事前準備に負担がかかる場合も
録画配信の場合、配信当日の作業は負担が少なくなりますが、一方で事前に録画をしたり編集をしたりする作業が発生します。
登壇者の予定を抑えて撮影をし、映像を編集したりテロップや音楽をつけたり、確認を出したり、さまざまな作業があります。こだわればこだわるほど、準備に時間や人件費がかかります。どこをゴールとするかを決め、スケジュールを組んで、準備を進めるのがポイントです。
ウェビナーで録画配信。ツールの選び方
ウェビナーの録画配信は、一般的な配信フォーマットで行えます。使い慣れているものや会社で契約しているものを選んで開催しましょう。
- Zoom
- Webex
- YouTube
- Teams
- ON 24
- YouTubeプレミアム配信
録画配信の主流はZoom
ビジネスシーンでは、Zoomを使うのが一般的です。集客のしやすさやチャットの使いやすさなど、マーケティング視点で選ぶのがおすすめです。
録画配信の準備のポイントは撮影と編集
録画配信の準備は、撮影、編集、配信の3つの工程に分けられます。
まず、どういったコンテンツを作成するかを考え、それに合わせて撮影・編集を行います。
録画配信「撮影」のポイント
録画配信は2つのパータンで映像を撮ります。
ひとつ目は、機材を準備して登壇者に会って撮影する方法。もうひとつは、Zoom等で接続してオンラインで録画をする方法です。
どういう映像を撮りたいかによって、撮影の仕方は変わります。
・機材を準備して登壇者に会って撮影する場合
ひとつ目は、登壇者と予定を調整して対面で撮影する方法です。撮りたいイメージで映像を残せるため、一度時間を使って撮ることもおすすめです。
カメラは、1台ではなく、複数台用意しておくと安心です。映像が長めになる場合は、メリハリがつくように複数カメラで抑えておくと飽きのこないコンテンツに仕上がります。また、機材トラブルに備えるためにも1台ではなく複数台用意しておくと安心です。
登壇者とイメージを共有しておくこともポイント。編集ができるとはいえ、事前にウェビナーの目的や伝えたいこと、見せたいイメージをすり合わせておくことが大切です。また、もう一歩具体的に、ウェビナーでどのように説明をするか、資料を用いるか、どのタイミングで資料を映すか、そのときに声を乗せるかなど、細かく台本を作るように確認をしておくと安心です。
・Zoom等に接続してオンラインで録画をする場合
手間をかけずに録画をする手段としては、オンラインで繋いでツール上で録画をする方法もあります。実は画面共有も一緒に撮れるので、資料とコメントを合わせて録画ができます。
高画質、高品質で録画をしたい場合でなければ、手間がかからないのでおすすめです。
録画配信「編集」のポイント
録画配信の強みは、編集をしてより良いコンテンツにアップデートできることです。動画にテロップをつけて視認性を高めたり、重要なポイントを強調したり、映像に手を加えて視聴者の理解を一気に高めます。映像で不要な部分を削除することや、映像をつないでメリハリをつけること、効果音を加えることなど、編集次第でより魅力的なコンテンツに仕上げることができます。ライブ配信では難しいことなので、編集に力を入れてみるのもおすすめです。
ただ、映像や音にこだわるなど、高品質のコンテンツを作りたい場合は、専門業者に依頼するのがスムーズ。選択肢のひとつとして外注も考えておきましょう。
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録画配信「配信」のポイント
撮影・編集を経たコンテンツはいよいよ配信へ。録画配信は、編集・撮影と準備に時間がかかりますが、完成してしまえば何度でも活用できます。1回の配信で終わりにせず、アーカイブにしたり、別のウェビナーでも活用したりするなど、配信の後も気にしてみましょう。
Zoomで録画配信へ。失敗しない簡単2ステップ
ビジネスシーンで広く使われているZoom。ここでは、Zoomを使ったウェビナーを録画配信する簡単な方法を紹介します。シンプルで誰でもすぐにできるので、覚えておくと重宝します。
Zoomを起動。「ミーティングを開始」する
通常使っている通り、Zoomを起動して「ミーティングを開始」します。スピーカーやカメラが正常に動くか、チェックをしておきましょう。録画映像は配信用PCですぐにアクセスできるように準備も忘れずに。
Zoomの「画面の共有」を押して動画を配信する
録画配信をするタイミングになったら、Zoomの下方のバーにある「画面の共有」のボタンを押します。ここで配信する動画を選ぶと、参加者には動画が流れます。ライブ配信の一部を録画映像で流す場合も、同様の作業をします。
Zoom配信の方法についてはこちらをご参考にしてください。
まとめ
「録画配信」は、手軽に実現することができます。当日の配信に自信がないときや、登壇者の配信当日の予定が押さえにくい場合は、録画配信を取り入れてみるのもよいでしょう。
撮影や編集に手間がかかる場合もありますが、一度作ってしまえば、さまざまなシーンで活用できます。専門業者に依頼をして、魅力的なコンテンツを作るのもおすすめです。
配信はトラブルや予期せぬエラーを回避したいときも、ぜひ取り入れてみてください。